荒川弘インタビュー(百姓貴族2)
古いネタですが、百姓貴族2の発売で荒川弘先生のインタビューが色々載って、すごい嬉しい!!!
「(両親が)作品が掲載されている雑誌は毎号買ってくれているみたいです。」
そ、そうなんだ…!
あんな、キレイな男の子が半裸で艶っぽく微笑んでいる表紙とかの雑誌を、70かそこらの爺さん婆さんが買って…!
ていうか、仕入れていますか本屋さん!?
「最後に「荒川さんにとってマンガとは?」という質問をぶつけてみた。すると「冗談混じりですが」と前置きした上で「心中相手」という答えが返ってきた」
ああ。
うん。
死ぬ、という言葉を軽々しくは使わない荒川弘だ。それをして、心中と。
覚悟のほどが分かります。そんくらい覚悟がないと、あれらのマンガは描けないと思う。
Amaレビューの、自分語りの多いこと!つまりそんだけ、いろんな気持ちを心の奥から引っ張り出すチカラのある作品だということ。
「私は猫が難しいんですよ。骨格が独特だからかな。」
なーる。だから犬はいつも犬なのに、猫はマンガ絵が多いんだ(笑)
「「誰が悪い、これが悪い」って責めてたって、畑は草生えてくるし、作物はデカくなるし、家畜は腹減ったって鳴くし。」
うはは。うんうん。こゆとこが鋼にもしっかりあるし、銀の匙は八軒がだんだん気づいて(馴染んで(笑))いってる。
荒川弘の作品を指して「皆が強者。弱者へのいたわりが無い」と言う人がいるけれど、だって弱者じゃやってらんないもん。
人は悲しみの数だけ優しくなれるっていうけど、荒川弘は「幸せな人」だから(気持ち的にね。自分の幸せを疑わないでいられる人。私もそう)、優しさは足りないかもしれない。(私もな!)
でも人は、しぶとさの数だけ笑顔でいられるんだ。
「百姓貴族も銀の匙もあくまでストックの1つで、これが集大成とかいうことは全然ありません。」
うん!よし!
荒川弘はもっともっとネタがあってもっともっと描きたい。
そして私はもっともっと読みたい!!!
「獣医免許があると、投薬による安楽死が可能になるんです。せめて、せめて自分の家の牛は自分で、と」
先生は漫画にある程度満足したら、60歳からでも獣医師免許とか取りそうだよね…!
「自分たちで販路を築ける自信がある方は戦えるでしょうが、お年寄りで後次がいないような農家だとこれを期に廃業するかという声も聞いたりして」
そう、弱者への視点もちゃんとお持ち。
でも先生が作品を描くとしたら、販路を築いて戦う側。作品は常に、日の光を向いている。
跡継ぎがいない寂しさ、跡継ぎになれなかった遣り切れなさを、百姓では一切描かず、銀の匙でほんのちょっと触れるところに、先生にとってこの問題はまだ作品に昇華できないくらい大きいんだな…と感じる私です。
だからアキちゃんの行く末がとっても気になるの~!
「雑誌というパッケージの中で多様性を提示できる提供形態は偶然の出会いを喚起できるのでよいと思いますし」「本屋や雑誌が持っていた機能をどう時代に合わせるかというのは1つのポイントになるのかなと」
「そもそも漫画の読み方が分からないという方にどうやって漫画を届ければよいのかをずっと考えているんですが」
先生ってさあ。アタマいいよねえ~!
農業の話題も、漫画の電子化の話題も、当たり前のことを語ってちゃんと分かってて、あんまり主張や結論は言わない。
たぶん身内のおしゃべりだともっとガンガンくっちゃべってると思うのよ!(笑) でもメディア化されるときは色々な立場の人のことを考えている。
このバランス感が作品の安定感も作ってるんだろうな。
そんで百姓は、身内のくっちゃべりをほとんど丸出しなとこが、この面白さなんだよね!!(笑)
インタビューたくさん、嬉しかったです!
ありがとうございます~!!!