寝言は寝てから

荒川弘ファンのてきとうなおしゃべり。

今週の銀の匙

作者一言。好きな言葉は?に、荒川弘先生

「『重版』嬉しいよね。」

あはは!こんだけ売れてても貪欲。いいね!

んで、ぐぐっと重い本編。

いつも解説される側だった八軒が、解説する側に回ったことに、お?と。

八軒はいつも「あいつは何々だから」と言われる側だったじゃないですか。先生や友人に「それは君がこうだから」と。

これは主人公特性で、周囲に解説されることで読者(=主人公)の納得感を深めると同時に、読者は主人公(=自分)の愛され度を感じて一層主人公が好きになる。

少年少女漫画の主人公は周囲に可愛いがられる、つまり周囲より一段幼い立場にいる。

でも今回、八軒は駒場を解説する側に、駒場の本心を代弁する側に立つ。

八軒は成長した。

中身も、物語上の立ち位置も。

覚悟を決めた八軒。

覚悟を決めた御影。

物語がどう動くかも興味あるけど、荒川弘ウォッチゃーの私としては、「周囲の無意識な後継ぎプレッシャー」をかけられる弟を見てきた姉であり、かつ、プレッシャーをかけてきた張本人でもあり(百姓貴族で弟を「大事な後継ぎ」と二度)、また自身は「貴重な働き手だが大事な跡取りではない」立場を7歳で弟が生まれてから意識せざるを得なかっただろう農家の四女で、そして都会に出て夢を掴んだが三代続いた開拓農民の実家は後継ぎがいない、そういう現実を背景に、御影家の選択をどう描くのか、それにものすごく興味がある。

もちろん現実と漫画は違うし、御影家は荒川家でないし荒川弘はアキにほとんど自身を投影していないと感じるけど、でも、私が銀の匙に一番興味を持つのは、後継ぎ問題をどう描くか、なんだ。

落とし所は、駒場が自分ちの借金とともに御影牧場を継ぐ、なんだろうけど、そこまで(あるいは違う着地点へ)物語をどう転がして行くのか、楽しみです。

もんのすっごい楽しみです!

もー8巻出るだろう7月が、今からちょー待ち遠しいよー!