寝言は寝てから

荒川弘ファンのてきとうなおしゃべり。

コンテンツ・アワード・オブ・ジャパン・フード・カルチャー 「銀の匙」大賞受賞!

コンテンツ・アワード・オブ・ジャパン・フード・カルチャー 「銀の匙」が大賞受賞!

講評が素晴らしかったので書き起こしました。下のほうにありますので興味のある方はすぐそちらを。

さて、12月8日に授賞式があったという、この賞。

第一報を見たときは「何というお手盛り感!」でした。

だってネット検索しても出てこないし審査基準も審査委員の顔ぶれも分からないしサブカルニュースブログでも取り上げられてないし。

農林水産省が主催ということと受賞作しか分からず、その受賞作も、おいしんぼ、夏子の酒アンパンマンクレヨンしんちゃんとなんだかバラバラ。

これは農水省の偉いさんが思いつきで指示して予算も組んでなくて、しょーがないから下っ端お役人が何とか体をなしたとか、そーゆーやつかいなあ…。

などと思いつつも。

でも。でもですよ。

荒川弘先生の銀の匙SilverSpoonがお上から表彰されただなんて、私の大好物な話題が、このままスルーだなんてもったいなさすぎる!

ええ、私は荒川弘先生が受賞なさることが嬉しいのです!権威主義?ええそうですとも。大好きな作家が公に認められるって、やっぱ嬉しいじゃないですか!

あと、国の機関はこんな専門外なこと外部委託するはずだから、どこが運営したのかなあ、とかも興味ありました。

そしたらようやく、内容がわかるサイトがヒット。

Gadgetwear 動画ニュース

おー日経BPで日経デザインかー。え、エンタじゃなくて? それと日経レストランか。へー。

てかちょっと待てよ!協力会社の名前を動画に映った受賞式のカンバンで知るって、どんだけ情報発信少ないの!

ただ授賞式がフルで収録はイイ。長いけど、編集なしのナマ情報っていいよねー。

それからようやく、公式サイトを発見。

Contents Award of Japan Food Culture

か、カタカナでしか検索してなかったから、探せなかった…。

公式はこの1ページだけ。そして受賞結果のページ更新が無いとゆー。

(受賞結果出ました。リンク先のPDFが保存日1月15日。遅いよ~)

そうして「アルファベットで検索」という方法に気づいたおかげで、ようやく授賞内容の説明があるサイトまでたどり着けたのでした。公式サイトじゃないけどね。

日経トレンディ「「クレヨンしんちゃん」が日本の食文化発信に貢献!? 「Contents Award of Japan Food Culture」って何?」

ここでようやく、何が何だか、が大体分かりました。は~。

でも動画の講評はもっと詳しくて良かったので、銀匙についてだけですが書き起こしますね。

------ここから

主催者代表、農水省食料産業局長山下氏より受賞者代表、坪内崇氏へ賞状贈呈。

坪内崇氏

小学館少年サンデー編集部の坪内です。

まず、荒川先生に受賞をお伝えしたところ、大変栄誉ある喜ばしいこと嬉しいことです、ありがとうございます、とおっしゃっていました。

担当編集者として、この大きな賞をいただいてまず思いましたのは、取材をさせていただいている北海道の農業高校の皆さん酪農家のみなさんに感謝したいなとそう思いました。いつも取材のときに快く大変貴重な話を聞かせていただいておりますので、それがまた作品の深みとして受賞につながったと思います。本当にありがとうございます。

1月から、宣伝みたいになっちゃいますけど、1月からアニメがまた始まります。そして3月には実写版の映画があります。今回頂いたようにいろんな方法で食文化の、日本の食文化のすばらしさを伝えていけたらいいなと思います。ありがとうございました。

妹尾審査委員長より総評

受賞の皆さんおめでとうございます。ならびにこのすばらしい企画を立ててくださった農林水産省の皆さんに心から敬意を表したいと思います。

まず私はグランプリの銀の匙について講評を、というふうに言われております。

銀の匙、我々が何を評価したか。

我々の食というものは、実は、命あるものを奪い、それを食し、そして我々の命をつなぐという、こういう基本だと、そういう風に考えております。

その食という基本を、少年誌という媒体を通じて真摯に訴えた。これは大変すばらしいことではないかというふうに考えました。

同時に、育てた動物、畜産が売られるということを通じてビジネスの基本、そういったこともきちっとここで述べられています。

それが、大変さわやかな青春の学園ドラマ、そして親子の葛藤その他として物語性も豊かで極めてよくできた作品であると思っております。

そしてそれが、一千万部を超える人気を博し、アニメになりさらに実写版もできるということを成し遂げたのではないかと考えております。

すでに数多くの漫画賞を受賞されていますけれども、我々のこの食文化、日本の食文化を海外に発信するという側面からも大いに賞賛に値するということで我々はグランプリ、誇れるグランプリだと思ってこの銀の匙を推薦した次第です。

実はこの銀の匙以外にもですね、荒川さんの百姓貴族なども受賞を本当は推薦したかったのですが、まあ、お一人が二つというわけにも行かず大変残念な思いです。

以上、銀の匙、本当にすばらしい作品だと思います。おめでとうございます。

それでは総評に移らさせていただきます。

----------書き起こしはここまで。以下は概略です。すみません……

200からの作品から選んだが、日本食には和洋中あり酒もあり、またウンチクものから職人ものまで大変幅広いものだった。

それはあたかも富士山が美しいのはその高さだけでなく裾野が広いから美しい、そのようなものだと感じた。

数多くの作品のクリエーターに敬意を評するとともに、またコンテンツはアニメ漫画にとどまらずテレビ番組などもあるので、それらを今後も海外に発信していきたいと思う。

やー!すばらしい講評ですね!

そう、真摯さ、さわやかさ、命と経済のバランス、少年誌の発信であること。

そこです!銀の匙のすばらしさはそこなんです!!

頭のいい人の話って、いいですよね~。そしてそんな方に自分の好きな作品を誉められると、イイ気分ですよね~(笑)

この妹尾さんという方、話し慣れてるし、同時通訳に向けての話の切り方も上手。偉い人なんだろーなあ。

そして百姓貴族について語るときちょっと肩をすくめて笑ってるんですが、そうそう、百姓貴族を受賞させたら農水省さんも荒川先生もかーなり困った気持ちになっちゃうでしょうからねえ~(笑)

ところで、坪内さんおっしゃる荒川先生の言葉は、私の脳内では「えーっと、ありがとうございます。でもナニソレ?」と自動翻訳されました(笑)

先生は賞のお礼とかっていつも「自分の言葉」でおっしゃるので、こういう、とってつけた感な言葉ってあんまり聞かないですもん。

あと、総評最後にテレビに触れたとこでも脳内自動翻訳機が稼動して「来年はテレビ部門を立ててグランプリはごちそうさん最有力ということでこの賞は今後も続ける予定ですんでヨロシク」に聞こえましたが、どうなんでしょう?(笑)

せっかく生まれた賞ですもの。最初は手探りでも二度三度と続けていくうちに、知名度と影響力のある立派な賞に育ってくれたらいいな。

さて、受賞を受けて坪内さんのインタビューです。

このタイトルが効いてますね!「必要以上に感動させない」

そう!そこが!すばらしいのですよ!!!

日経トレンディネット 「銀の匙 Silver Spoon」の秘密! ありのままを伝え、必要以上に感動させないこと

今までのインタビューでは、「何でサンデー?」という問いに荒川先生は答えず、坪内さんが「題材がサンデー向きだったから選んでいただけたと思っている」と代返してたんですね。

これは数多の出版社の「鋼の錬金術師の次回作」争奪戦において小学館が勝利したから、荒川先生が答えると角が立つから、坪内さんが答えてるんだなーと思ってました。

でも今回、小学館側から「青春ドラマを」と依頼していたとはっきり仰っていて、そっかー銀の匙も終わりだし争奪戦相手の講談社の新連載も始まったし、もちょっと色々出しても良くなったんだなーと思いました。

一昨年の時点で「ウチから青春ドラマを依頼しました」って言ったら「あんだけアクションとファンタジー描ける作家に何言ってんだ!」って非難轟々だったでしょうからね(笑)

でも私は、前作とぜんぜん別の色合いの作品が、小学館からの依頼がきっかけで生まれたということが、すごく嬉しい。

銀の匙は歴史に名を残す少年漫画だと、今は私は本気で思ってます。

銀の匙SilverSpoon、Contents Award of Japan Food Culture グランプリ受賞、おめでとうございます!!!!

来年の10巻発売とアニメ2期と実写映画と残り少ないサンデー本誌での連載を、とてもとても楽しみにしています!