ダメなファン
昔、「良いファンと悪いファン」という話がありました。
作品のクォリティが落ちているのに、そのクリエイターを無条件に誉め続けるのはファンとしてどうか?
ここが悪い、ときちんと指摘するのが良いファンなのではないか?○○なら何でも良いと無批判に礼賛するファンが良いファンのように思われているが、それは間違いなのではないか?
という話。
どうなんでしょう?
でも、「ファン」がどれほど「冷静客観的な批判」をしようと、クリエイターに対し1ミリたりとて影響を与えることはできない、というのが事実です。
人は、他人に影響を与えることは出来ない。
んですよ。ホントに!
ただし、声がでかい人は、同じファンの間に流れる“空気”を、多少は揺らすことができるかもしれません。
でも、それって「良いファン」なんでしょうか?
同様に、私は荒川弘の大ファンですが、どれほど彼女に恋焦がれても彼女の人生に1ミリたりとも影響を与えることが無いのだ、と気付いたとき、「この世の真理を知った」ってなくらい驚きました。
や、何をそんな当たり前のことを!と思われるでしょうが、熱狂的ファンというものは自分と相手との間の一本道しか見てないもんだから、ものすっごい視野が狭くなってるんですw
さて、そんな私も、荒川先生のアルスラーン戦記の連載が始まったとき、リアルタイムで雑誌で追うか迷いました。
だって原作付きだし、あんな分厚い少年雑誌を買う年齢でもないし、もう単行本だけの普通の読者で十分じゃないの。
そろそろ手を引く頃合なんじゃないの?って。
でも、本屋の店頭で別マガ見たら、やっぱり素通りできない。
今、見ないフリをしても、きっと夜に布団に入ったあと悶々とする。明日も。
だったら買っちゃえ、どうせ数百円じゃん。
あー私はダメだなあ~って思いながら雑誌を手に取り、お、ガンガンより薄いこれなら全然平気!とか思って、さらに、うわー私ってダメだー!って思ったら何だか可笑しくなっちゃって。
そんで結局、毎月買ってますw
そう、私はダメなファン。
「荒川弘なら何でもいい」
それは良いファンでも悪いファンでもない。
ただの、ダメなファンなんですよ。
それで、冒頭の話を懐かしく思い出したのでした。
私はダメなファンで、そして幸せなファンです。
自分がダメだと自覚したので、いろいろラクになって、今はもっと幸せです!
.