今週の銀の匙
今週でたぶん、11巻収録分終了です。
校長先生が銀の匙の意味を語る。いいお話でした。
おおう、今からコミックス想像してうるうるしちゃうよう~!
裕福な生まれ、という慣用句本来の意味から、受け継がれる財産、という側面に光を当てるストーリー。
鋼の錬金術師がそうであったように、銀の匙というタイトルには二重の意味があると思っていたので、それが今回語られてすごく満足です!
(鋼の錬金術師は、機械鎧が表の、鋼のように強靭な心が真の意味と描かれていたけれど、私は、鋼は「かたくなさ」と捉えていました。潔癖で頑なな少年期の心。それは尊いものだけれど、その殻を割ってこそ伸びやかな大人になる、と。あくまでも私個人の感想でーす)
ご存知のとおり、モデル校の寮の食堂にも銀のスプーンが飾られていて、それは荒川弘先生が銀の匙連載開始後に寄贈したものです。
特注品だから、もしかしたらそれを作った職人さんからあのエピソードを思いついたのかもしれませんね。
そして寄贈スプーンに刻まれている言葉は「働かざるもの食うべからず」
うひゃひゃひゃ!先生ってば相変わらず厳しー!(笑)
なお、この言葉を、働けないヤツは食うなとかひでえ!って解釈されることもあるっぽいけど、本当は、「働かない貴族階級が、労働階級の富を吸い上げて飽食三昧って、そういうのはオカシイだろ?!」って意味なハズなんだけども…?(働かないと働けないは、ぜんぜん違う意味だよー)
ですんで、エッセイ「百姓貴族」も、、食うものに困らない百姓って貴族みたいなもんだぜイイだろ~、って表の意味のほかに、働くことって蔑むどころかすごい高貴なことなんじゃん?特に農業って最高じゃん?!なーんて意味も含んでるんだろうな、なーんて考えています。(こちらももちろん、個人の感想でーす)
さて。その労働大好き荒川さん。
創作に煮詰まったらどうします?と聞かれ、「寝ます」以外の回答が「掃除」。しかもハブラシで部屋の隅をごしごし、って、それは普段から掃除機をかけているからこその行動ですよ本当に働き者だな!
(ちなみにこれは田中芳樹先生との会談での話。このとき田中先生は「DVDを見たり」という回答で、そこか!そこが暴走特急荒川弘と各駅停車時々運休の田中芳樹の違いなのか!と膝を打ちましたw)
その荒川先生ですが、「取材のため次号より休載。3月5日発売サンデーより再開予定」だそうです。
へー取材ですかどこまで?去年の1月はフランスまで取材に行ってましたが、通常通り3掲1休でしたけど?
なーんて意地の悪いこと言うのは止めましょう(笑)
11巻の続きが読めるのはサンデーだけ!の戦略をついに取る事にしたサンデー編集部。
それに映画フライヤーや公式に「週刊少年サンデー連載中」って謳っちゃってるから、さくさく完結しちゃうと困るもんね。
何とかして雑誌の売上げにつなげようと色々頑張ってるんだなあ、なんて思いました。
あと、「取材のため」というのは「編集部の意向で」と読み替えてOKそうだな、とも思いました。
だって11月の5週連続休載も、それ以前の定期休載や2011年の荒川先生曰く「ぶつ切り産休」でも、そういう理由付けは無かったように思うもの。
連載は、あと8回か9回なのかなー。
あるいは12巻はオマケ増量でもっと少ない話数で終わってしまうかも。
八軒のテーマはだいたい決着ついたから、あとは彼の話かな。あ、あと八軒が名付け親になった牝牛の名前が出てないからそこも描いてほしい!
私は、今週の続きが、作中世界で2014年3月になってたらいいな、と思う。
2011年4月に入学した八軒たちが卒業するとき。
連載開始からしばらくの間、掲載週と作中時間を同期させるという遊び心を見せた荒川先生。
最後もそんな風に、今この時に、どこかに高校3年生の八軒たちがいる、そんな風に思わせてくれたらいいなあ~なんて思っています。
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