寝言は寝てから

荒川弘ファンのてきとうなおしゃべり。

原画展~

目黒に用事があったので、ちょっと渋谷まで足を伸ばして原画展に行ってきました。

田中先生のメッセージペーパーが追加されたり原稿用紙の配置ちょっと変えてたりしたけど、一番の発見は。

エラムの肌の色は、少しだけ浅黒いんですね!

原作でも小麦色の肌に黒い目ってなってるけど、肌トーン張ってないからあんまり気にしてなかった。

でも4人のカラーの、じっくり見てたら、塗ってる色が違う。

うーむ、その気になって見れば印刷のだって確かにワントーン暗いけど、でも、印刷だと気付かなかったよ~。もっとよく見ろ私っ!

生原稿だ!っていう興奮が静まって、じっくり見ると初回は気付けなかったとこが見れておもしろかったです。

エラムが料理してアルスラーンが後ろに立ってるページ、外のイモリのとこに青鉛筆で「グラけずり」とか指示があって、グラデーショントーンを更に削って、その上から影トーン貼ってるって分かった。いや先生、これコミックスのちっちゃい絵で見たらぜんぜんわかんないっすよ!

でも、こういう細かいところにも、細かい指示があるんだなあ、どのコマだって、アシさんが描いてるのだって、光の方向や影の位置とか、ぜんぶ先生が指示してるんだなあ、って思いました。

ナルサスの家へ向かう森の、上空に浮かぶ月も、コマを斜めに背景を描くという荒川先生としては少し珍しい構図なんだけど、そこに垂直線の指示がしてあって、そっかこういう風に指示するのねとか。

あと、あれ上限の月(膨らんでいく半月)なのね!西の空に上限の月だから、夜半前。夕飯は済んでいるけれど、まだ寝てない、そういう時間。

原作で半月って書かれてたのも、きっとそういう意味で、そして荒川先生もそれを分かって書いてるんだなあ、とか。

アンドラゴラス王が銀仮面と対峙してるところとか、矢が腕にぶっ刺さってシリアスな場面なのに、青鉛筆で、マント、マント、ベルト、とか書いてあるのも、なんか可笑しいw そうだよね、下書き鉛筆消しちゃうと、どの線が服の境界線かわかんないもんねえ。

あと、カラーのね。1巻の表紙は2014.2って入ってて、2巻の表紙は2014.3ってなってる。

表紙の2枚は、絵の雰囲気、静けさに張り詰めた感じとかがとても近いから、同時に描いたのかなって思ってたんだけど、違ってました。

つまり、先生は締め切りスケジュールに合わせて、日々、仕事をこなしているんだなと。毎月、アル戦25ページと銀匙18ページ×2回(ないし3回)も、計画して、それに合わせて描いてるんだなあ、と。

アル戦3巻は11月発売ってはっきり言い切ってるのも、今年の作業ペースはしっかり決まってて、それに沿って描くと決まってるんだなあ、と。

職人だなあって。

それから、一番最初のカラー。

新連載キックオフの、大人アルスラーンの正面顔。2013.4なんだよね。

先生ご自身も妊娠に気付いてない時。

先生も、まさかこのタイミングで授かりモノがやってくるとは思ってもいなかったんだろうなあ!

2巻表紙と、微笑みアルスラーンのカラー扉絵とを、同じ月に塗ってるのも、なんだか感慨深い。

あの空の色は久しぶりの、濃く溶いた絵の具を不透明に塗るやつで、ブックカバーでは原稿の端の掠れまで含めてデザインされているので、すごく欲しい。

ので、あれは買うよ!

私が行ったときは、中学生くらいの娘さんとそのお母さんという組合せのお客さんがいらして、アル戦の年齢層の幅広さを感じました。親子で同じ話で盛り上がれるって、いいね~v

銀の匙も、原画展とかしてくれないかなー。おじいちゃんと孫でも読まれてるって聞くし、三世代のお客さんが来るかもよ?

あと原画展が北海道物産展と同時開催だったら物産展の売り上げもすごい上がると思うんだけど!(笑)