寝言は寝てから

荒川弘ファンのてきとうなおしゃべり。

ステキな呪文をお教えしましょう。「これは私向けじゃないから」

例えば、良い感じの春ジャケットが売ってて。

そうそう!こういうのが欲しかったのよ!と試着してみるとサイズが合わない。

こんな時、「このデザインおかしい。このサイズでこの袖丈とか無いわー!」

と思うと、ムカムカと腹が立つんだけど。

「うーむ残念。これは私向けじゃなかった」

と思うと、まあまあ平静な気持ちで売り場に戻せる。

例えば待ち望んだアルバムが出て。

薄々感じていたけれど、やっぱり方向性変わってて、ぜんぜん好きになれない。

「こんなグループじゃなかったはずのに!」

って思うと、悔しいけど。

「そうか、彼らはもう私向けじゃないんだ」

と思うと、顔を伏せてそっと一歩離れられる。悲しいけども。

例えば大好きな原作がメディア化されて、すっごいイメージ壊される。

「ぜんぜん違う!分かってない!」

って思うと、悔しくて腹が立って仕方無いけど。

「これは、私向けじゃないんだ」

そう思うと、こう、ムカーッって来てたのが、すーっとしぼむんだよね。

消えることはないけどさ。(笑)

鋼の錬金術師は2度アニメ化されてるけど。

私は、無印の暗鬱なイメージが嫌だったし、FAの下手なレイアウトが残念だった。

でも、そういや鋼はガンガンなのよ。

ゲーム会社スクエニが出す、中学生男子向けの、阿呆みたいにぶ厚い雑誌。

明らかに、私は性別・世代とも、対象ではない(笑)

するとですね。

「まったく、何であんなにしたのかなあ!他に作りようがあるでしょ!」

と、ムカーッ!ときても。

「でもまあ、あれは私向けじゃないから」

で、ちょっと落ち着けるんですな。←ちょっとだけどねw

そんで今は、無印はそれでもドキドキして綺麗だった!って好きだし、FAはあのダメダメからあの熱い最終回ってすごいな!って好きだし。

部分的に残念なとこあっても、そこは私向けじゃないんだから、ぜんぜん許せちゃう。

うーん、幸せー!

例えば、この春にアニメが始まったアルスラーン戦記だと。

一昨年の漫画連載の告知イラスト、成長したアルスラーンがババーンと正面顔のやつ。

私は荒川弘ファンだけど、でもちょっと、ウッてなったw

それからアニメのエンディングの、華麗で美麗なジャケ絵。

あれもやっぱり、ウッっつか、どひゃーってなった(笑)

でも、どちらも今はぜんぜん平気。むしろ好き。

そんで、何だかニヤニヤしちゃう。この作品をこんな風に描くのか~って、おもしろくって!

アルスラーン戦記は三層構造。

原作小説は30年も昔の古ーい話で、漫画版は下品で暴力的な少年漫画雑誌の連載で、そのアニメ版は、ライトなアニオタのお子様が集まる日5で。

ね?

もう、「私向きではない」理由なんて、いっくらでもあるじゃん?

だから、ええっ!?(怒) ってなったらすぐに、この呪文を唱えるの。

改編されたストーリー、変容されたキャラクター、イメージでないアーティスト、合わない声優。

でも、「これは私向けではないから」

ほーら!

負の感情がすーっと縮んで、視界がクリアになっていく。

そうすると、「ここは好きになれないけど、ここは許せるかも」って区分けできるようになるし、上手くいけば「いや?むしろコレもアリかも?!」って思えるようになる。

そうなれなくても、「私向きじゃないから」と、そっと離れることができる。

どうして皆のように好きになれないんだろう、と自分を責めることもない。

だって、私向きじゃないんだから。

春ジャケットが合わなかったのは、私の腕がたぷたぷなのが悪いんじゃなくて、あのデザインがそもそも私向けじゃないらよーっ!! ←うるさい。

あとね。

私は何でも美味しい全肯定派なので、むしろクソ感想に対してこの呪文を使ってます。

この時は、「これはあなた向けではないから」と言います。

それも、とっても高飛車に!

「ほほほ!あなたのような下賤の民に理解できないのも無理はないわ。これはあなた向けではなくてよ!」

あースッキリ!(笑)

でも、ちょっと待って?

私向けじゃない。

そしてあなた向けでもない。

なら、誰向けになるんでしょう?

それは、「まだその作品を知らない人向け」です。

メディア化の目的は、拡大。

原作なんて全然知らない人が、主題歌が好きだから録画する。たまたま広告で見かけて試しに見てみる。

そういう人に向けて、メディア作品は作られる。

もっと多くの人に、知られるように。その作品が好きな人が、もっともっと増えるように。

「私向けじゃない」要素はすべて、「新しいファンさん向け」

そう思うと、何だかワクワクしません?

ね?ステキな呪文でしょ?

お勧めでーす!

追記:拍手ありがとうございます!

素敵な短編を読ませていただいたような気持ちになりました。

すごく分かります。好きなお話の好きなキャラって、その背景とか表情とかどんどん頭の中で生まれてくるんですよね。

あの、もしかしてお話書いたりなさってません?もし良かったら作品教えてください!遊びに行きます♪