別マガ6月号、7月号、8月号のアルスラーン戦記の感想まとめて!
<5月発売6月号感想>
荒川弘はノマカプ界の女王!
荒川弘はノマカプのチャンピオン!
ノマカプ公式世界一イィィーーー!!!!
てゆかさ!
カプっていう以上に、家族なんだよね。荒川先生の描く男女カプはみんな夫婦。
そんな荒川弘先生が。
原作ファンが喜びに床を転げ回る改変をしてくださいました!
アイヤールとナスリーンの登場です!!!
このね、コマ割りがまた!妙技なんですよ!
ここ、前の場面の翌朝なんですね。
場面転換のあたまにロングカメラを持ってくる、セオリーどおりのコマ。
全体を写して今誰が何をしてるか一目で分かる。この場合、キシュワードのもとに部下が知らせに来る。
で、次のページ。
驚くキシュワードに、同じく驚く小さな子。
読者も一緒にびっくり。えっこんな子いた?!
視線移動(早い)で前ページのコマを確認。膝に乗せてる?万騎長が?えってことは?
ページめくり(遅い)で、次ページ。
行きかけて戻るキシュワード。(物語内の時間経過もワンクッション)
そして、この男の子がキシュワードの息子で、控えていた女性はキシュワードの妻だと分かる。
原作組はふわぁぁぁぁ!となり、原作未読組は、へぇーとなる。
この、読者の感情の緩急と、コマ割りが誘導する視線移動時間の緩急がね、すごい合ってるんですよ!
なので、読者は何がどうなっているのかスムーズに分かる。
そして、わー!とか、へー!とか、自分の感情に身を任せる時間が取れる。
だから読みやすくて面白い。うまいなあ。
少年漫画ではときどき、ばん!と新事実を出した同じ見開きで次の技を繰り出してしまい、せっかくのネタがしぼんでしまう、ということがある。
荒川先生はこの緩急、特に緩、ゆるめるところががすごい巧みで、だから読者を置いてきぼりにしないんですよね~♪
この後はキシュワード無双!
ものすごいキレキレ!ペンに勢いがあって、この数年で一番ノってるバトル作画じゃないかしら?!
銀匙はバトルが無いから、この、ぐぉーー!と熱くなる感じすごい久々。キシュワードのにらみ顔が鋼っぽくて、うわーって盛り上がります!
(って、このすぐあとにハガレン実写化の正式発表が!色紙とか描く前に何度か落書きして手にキャラを思い出させるから、ハガレンの勢いやハッタリ抜群の表情なんかも再現されてきたのかも?!)
コミックス派さま、先は長いですが楽しみにしててください!!
<6月発売7月号感想>
今月はなんと行ってもエラムでしょう!
まさか、あんな表情を、アルスラーン戦記で拝める日が来ようとは。
荒川弘先生が描いてきた様々な表情の中で、一番、ひどいのを、まさかエラムがやろうとは!!
もうこれは絶対に、初読で、期待値マックスでページをめくって、その期待値のはるか上を斜めにぶっ飛ぶ荒川作画を堪能してほしい!!!
ので、今月の一コマはここ!
もう、ここだけで今月号のテイストがわかりますね!
可笑しい!可笑しい!めっちゃおかしいおもしろい笑える可愛い!!
いやもちろん、シリアスなシーンはシリアスだし、冒頭のセリフは荒川先生原作読んでるんだなって感じるし、あの長台詞をこうして漫画のリズムに落とすのか!と感嘆するし。
あと、ナルサスが常に美形ですね。髪も柔らかくて、先生が美形を描きなれてきたのがわかりますw
そのうえで、あの辛辣な啖呵を切んですから!もう、ナルサスファンの皆さまが床を転げまわるの、わかりますー!(私?私もナルサス好きだけど、面倒くさい奴だからな~(笑))。
それからザンデの表情がいちいちイイw
ほんっと、うまいよなー!
リズムがね、最高なの!
あーもー、どのページもステキ。誰もかれも大好き!!!
巻末の作者ひとこと。
「「NHKシルクロード」のDVDを流しっぱなしにして仕事をしてます。」
そっかー!うんうん、わかります。雰囲気ありますものね!
こないだ女優さんがイランを旅行するテレビやってたけど、そういうのも撮って観てたりするのかな~v
<7月発売8月号感想>
アルフリが案外と小柄でした。これ上手い!
可愛さ増すし、闘いっぷりが身軽なのとリンクする。
あと、絵的に緩急がつく。
キャラデザのコツでね、シルエットでも誰だか分かる、っていうのが大事なんですって。
荒川弘先生のキャラデザは、この原則にすごく沿ってる。
ダリューンとナルサスが身長同じで黒と白、ギーヴの胸板の広さ、曲線のファランギース。色合いは柔らかいけどまっすぐ両足に体重乗せて立つアルスラーンと、色合いは黒とトーンで落ち着いているけど体重移動がしなやかなエラム。
そこに、丸い頭、丸い目の小柄なアルフリードが加わって、すごく楽しい!
アニメではひどい扱いだったアルフリを、先生が大事にしてくれてるのがわかる。そうよ、そうなのよ!こういう、最初が肝心なのよ!
アニメだと、3番手キャラに惚れて付いてきたぽっと出の女キャラが、主人公とも2番手キャラとも会話もないまま何週間、原作に居るから置いてます、って扱いだったの。当然、視聴者からは何あの生意気女、なんで付いてきてんの?という反応で……涙。声優さんがガチの田中ファンだから余計に辛かった。声優ラジオにゲストで出ても、自キャラの話振られてもほとんどしゃべれなくて先輩声優が演じる隣国の王子(こっちはキャラ立て上手かった!)の話に移してて、あ~辛いわ~って感じでした。荒川弘のキャラデザが悪いんじゃないやい!後発キャラ出したらメインキャラの承認=観客の承認を得るっつー基本をやらない脚本家が悪いんだい!
さてさて。
ヤシャスィーン!にびっくりしてるエラムとアルフリがかわいいです!
アルスラーンは落ち着いて指示を出している。
アルスラーンはアトロパテネで大軍の戦闘を経験した王子。庇護される身だとしても、己が指示を出す立場だということを忘れない。
エラムは3巻でカーラーン軍と戦っているけれど、騎馬隊のど真ん中に立つのはたぶん初めて。
アルフリードは部族間の抗争はあっても、正規軍の全軍突撃を見るのは初めてだったんじゃないかな?
なので、アルフリのほうがエラムよりもっとびっくりしてる。
こういう、身分の差、戦場経験の差が、自然に描かれているとこ、ほんと大好き!
6月号でキシュワードの強さを描いているので、彼の出現で敵が総崩れになるのもそりゃそーだ!って納得感ある。
この前の、見開きページが、そりゃあもうすごい迫力なんですよ!!!
ところで、今月は緻密絵のアシさんが不在っぽいですね。上の引用ページの左下とか、雑(笑)。
いつものアシさん(たち、かな?お1人か複数かはわからない)は、キャラの顔をできるだけ描かないんです。軍や市場をまるっと1コマ任されるときとか、かなりのロングカメラにして人物の判別ができない距離にして、作品の空気を壊さない。たぶんプロのアシさんなんですね。
アル戦の下支えをしてくださってる緻密絵美さん(勝手に命名)、ご自分のお仕事でしょうか。それなら成功してほしいし、もしそうでないならまた戻ってきてください、お待ちしてます!
なので今月は怒濤の軍人がぜんぶ荒川先生のペンです!表情が多彩!
で、読者が敵味方のモブ兵士の表情も楽しめる代わりに、先生のペンはかなり息絶え絶えなところもw
カラー絵も重なってますものね。お疲れ様です!
付録のクリアフォルダもすごい嬉しかった!表紙絵が表で、表紙ではロゴで隠れてるアルスラーンの腰ベルトの装飾もしっかりわかる!裏面は漫画のコラージュになってるのもステキ♪編集様ありがとう!
さて!
今月の私が一番大好きなのは、ここ!
この後のコマはコミックスのお楽しみ!
意外性も迫力もそうですが、それ以上に。
完璧な男、ダリューンの、初の残念要素が明らかになった!!
ダリューンって、忠実な騎士で、天下無双の武勇を誇り、ナルサスには砕けた口調の悪友で、年少の者への視線が優しい、理想の男じゃないですか。
で!も!
彼は!
女性へのデリカシーが無い!
だってそうでしょ?16の少女が、私も戦うよ剣を貸して!って健気に声をあげたところに、おう、よし、ってアレですよ?
ぎゃあ!って怯むならそれで良し、戦えるならなお結構、って割り切りは、さすがは武人、と言えなくもないけど。
いやいや。
あれは、女を女として扱うことが、できないってだけだね!
硬派一辺倒の体育会系男子だよ!頭もいい、リーダーシップもある。
でも女の子がこうしてほしいな、とかぜんぜん気づかない。モーションかけてもあっさりスルー。
そんなところがまたイイのよね!ってファンはつく。
けど、恋人はできない。
ダリューンはきっと、そういうタイプ!!!
あーいいなあ、いいなあ!
ダリューン大好きだけど、ダメなとこ見つけると、さらに好きになっちゃう!!!
もちろん、がさつ者だね!でばっと受け取るアルフリードもいい!つよい。すてき…!!
ラストは原作小説既読組が楽しみに待ってた入浴シーン(笑)
アニメではギーヴでしたが(大昔の角川アニメでもギーヴで、なんで彼で締め?とポカンとしたものでした。ああいうのをファンサービスというのだ、と、知らなかったんですよね~当時は。若かったですね~)、荒川版では不意を突いてナルサスでした!
いやあ、不意を突かれたw ダリューンの簡単絵もイイ(笑)
でも私は、ファラン姉さんが良かったなあ~。アルフリとの会話シーン、湯船に浸かってでもいいじゃない、少年誌なんだもの~(笑)