寝言は寝てから

荒川弘ファンのてきとうなおしゃべり。

別マガ『アルスラーン戦記』感想 先月はバトル!今月はかわいい!

先月号は、バトル回でした!


別マガの担当さんが、荒川弘先生のネームを上げてくださっています。

『アルスラーン戦記』担当編集(公式)



ラフネームと下書きで、だいぶバトルが変わっている。


特に中段。ファランギースのコマ。

立ち位置を左右逆にして、どのコマもヒルメスを左側(←)に立たせ、複数人で押している形が協調される。

更にファランギースの剣が、下から脚を狙う形に変更されている。力より技で仕留めるファランギースらしさが出る。

ヒルメスの剣が1コマ目からヨコ、タテ、ヨコ、となり、さらにコマを斜めに切って枠線と剣の線とほぼ平行にすることで、ページ全体の躍動感が増す。


右のラフは、次々と切りかかる、という印象。

左の下書きは、そこに、「流れるような」が加わる。


そして完成形はこちら。

ガガガガ、という効果音をコマ割の上に乗せることで、上3コマがほとんど同時の動きになる。

ぬ、のフキダシも縦線の上で、これも左右のコマの時間差を無くしている。


ふがあ!

うまい!うまいよ!しかもこれが通常運転だよ!

だって、雑誌読んでてさ?迫力だ!って思ったでしょ?でも別にふつうに通り過ぎてたでしょ?


だってこの見開きは、このページの左側のほうがメイン。高い城壁と水しぶきが、一番長く視線が留まるコマだあら。


上で引用した、右ページの目にも止まらぬ攻防は、作中人物にとっても読者にとっても、一瞬の出来事にすぎない。

一瞬の出来事の1ページが、こんなに、すごい、計算と研鑽と勢いの乗った、バトルなわけですよ!

これが、通常運転。


ふがあ!やっぱ荒川弘はすげえよ!!!


そんで、「ネームが、頭の中でバッと出てくる感じ。そのとき、キャラクターはまだ棒人間ですけど、シーンとしてはコマ割りまで全部できちゃう」という天才性を持つ荒川先生であっても、こうして、ラフ描いて下書き描いて、直して、きっと消したり捨てたりもして、そうして漫画描いてらっしゃるんだなあって。

決して簡単に楽ちんに描けてるわけじゃないんだな、と思うのです。




先月号はバトルとシリアスで、こういう回。





原作既読組はご存知のとおり。

剣を振るう順番から誰が誰にどう振舞うかまで、すべて原作通り。たいまつを持つのは両手とか、ナルサスの動きとか。なので原作小説をどう漫画にアレンジしてるのか、数行の説明を一コマに落とす技とか堪能できて楽しい!

それと、原作は三人称だしアルスラーンもかなり人間できてるから、判明した事実に、えっどういうこと?!って読むんだけども、漫画はキャラクター視点だしアルスラーンも少年らしい揺れがあるじゃないですか。だからアルスラーンの心情にこう、同調して、ぐっとくるんですよ…!


アニメ組もご想像のとおり。

あの、かなりナルサス作画回(笑)だった13章の終わりのところですが、原作沿いなのでアニメとはちょこっと違います。

アニメも、真っ先に駆け付けるのがファランギースとかうまいアレンジでしたv 

でも作画がw


そして漫画コミック追い組は、ドキドキですよね?なに?アルスラーンどうしたの?!

へっへっへ。ドキドキしてもらおうと思ってばーんと上のページ引用させていただきました!(あとアルスラーンの衣装がカワイイ♪)

コミックスは11月9日発売!楽しみですね!!!(煽るw)




さてさて。

そして、今月の別マガです、

感想をひとことで言うと。


かわいかった!!!!


なんか、今月、絵柄がね。あちこち、小さなコマとか、可愛いんですよ!


ぶほっ!と飲んでたミルクティー噴きそうになったのが、このギーヴ

あの、なんつか、もんのすごい、かわくて色っぽいんですけど?!?!



小さなコマなんですけど、かわいくないですか?

なんつか、ハガレンのエドに通じる色気があるよね、このギーヴ。ちょい斜に構えてて、無防備で、あの、その。やばい、ギーヴ沼に転びそう…!


荒川先生、この夏から絵柄変えてきて、ダリューンとか頬骨から顎のラインをまっすぐ描くようにしてるじゃないですか。

マスタング大佐のころから、美形なのにまんじゅう顔と揶揄されてきた丸顔大好き荒川先生が、頬骨が高く、顎の張った、外人イケメン顔もモノにしてきてる。

そうすると、以前から石膏彫刻的に整ったナルサスがより美しくなるし、頬が丸く顎の細いギーヴが余計に可愛くなるという……!

先生!ほんと美形が美形になってます!

(願わくばファランギースを真面目に描いたときも、固くならずに、するっとなめらかに描けるようになれますように…!)(←なにを偉そうに!)(←いや、その、6巻表紙がね、まだちょっと固くてね…)



それから、このアルスラーンのワクワクしたところとか、もう、かわいくないですか?!

ナルサス先生の教えに、うれしそうに反応する殿下。かわいい!




このコマとか、まるっとぜんぶかわいいw

このまんま手帳とか挟みたいくらいv





この前のコマもナルサス先生にむらがる少年少女という図でほんと可愛くて、かわいい。(語彙がない)


あと、原作で気づけなかったけど、ナルサスがいちいちアルスラーンに許可を求めるのって、私たちはあなたを主君として立てますよ、というメッセージなんですよね。

原作では、師ナルサスが王子アルスラーンに主君はどのように振舞うべきかを教える、という感じなんだけども、漫画では、気持ちの揺れが収まっていないであろう王子に、私はあなたに仕えますよ、安心してくださいよ、そういう温かな気持ちがあるからだって感じで。

こう。

いいなあ、って。


このあと、ダリューンナルサスに「いつでも出れるぞ」って言う場面があるんだけど、ダリューンってば戦に臨んでワクテカしてる感じがにじみ出ていて、軍議の落ち着いた大人な雰囲気と差があって、なんか、やっぱり武勇を誇る若い騎士なんだなあ、かわいいなあってw



それから、この前にヒルメスのドヤ顔があるんだけど、それがね、また、かわいくて!

ここ確か漫画オリジナルよね?いいなあ~。


ほら、原作ヒルメスって、得たものより逸したものに心が傾くタイプじゃない?

本来はすべて己のものであるはずだから、そうではないことに、猛烈な怒りと焦りを抱いている。

でも、この場面のヒルメスは、千載一遇のチャンスを逃し、あまつさえ自分よりはるかに劣る小僧に弱味をみせてしまった後なのに、大きな情報を得たことに心が向いている。この状況でさらに自信を深めている。

この、前向きなところ。これこそ、荒川ヒルメスだなあ!って思う。

もちろんこの後、天幕に戻った後とかに、あと一歩だったのにギリィっ!ってむちゃくちゃ怒りまくるだろうけども。

でもきっと、その時は誰かがそばにいるのよ。怒りのオーラに首を竦めて何も言えない一般兵かもしれないけれども。荒川弘は、キャラを一人にしない人だから。



さて!

かわいいとこいっぱいレポート続き!

このファランギースの、点々お目め。かわいい!!

このコマも手帳に挟んでおきたい~。

てかアル戦手帳とか出ませんかね?読者プレゼントとかどうでしょうマガジン編集部さま!

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それから、原作、アニメとも、この辺りのストーリーでは蚊帳の外だったエラムアルフリードが、ちゃんと物語の中心にいるのが、いいなって。

前回のバトルも見ていて、今回の軍議でも外で控えてて。



アルフリードの、はねっかえりだけど情に厚くて度胸も面倒見もいいとこ、アルスラーンたちと合流してからずっと継続して描かれていて、ただのナルサスの追っかけではないよ、ってちゃんと示してくれてるのがうれしい。


前回・前々回で挿入したエラムのオリジナルが効いて、原作小説と同じセリフでも、アルスラーンのしなやかな強さと優しさが感じられる。


ナルサスの山荘で出会った頃は、エラムのがアルスラーンより能力も考え方も上だったけれど、今はもうアルスラーンのほうが視野が広くなっている。

それは、山中の旅という、エラムの土俵から、城塞と軍隊というアルスラーンの本来の立ち位置へ、舞台が変わったこともあるんだけども。

アルスラーンが、少年でありながら、一歩いっぽ大人になっているのが感じられる。


アルスラーンの成長が、単体ではなく、関係で描かれるところ。

大人から見たアルスラーンではなく、同年代の少年として描かれるところが、少年漫画だなあって思う。


ああ、かわいい!←語彙