寝言は寝てから

荒川弘ファンのてきとうなおしゃべり。

おもしろさとここちよさ

作品の面白さには、「興味」と「心地よさ」とがあると思う。

興味、は、話が面白いとか。
心地いい、は、絵が上手いとか。

文章力や画力のある人が書いた話は、何の出来事も起きずとも、日常のぬくもりあるいは寂しさを淡々と描いたものでも、面白い。
この面白さは実は、心地よさなんだと思う。

逆に、驚きの展開や、とんでもないキャラクターが動く話は、絵が汚く文章が稚拙でも、つい引き込まれてしまう。
この面白さは、可笑しいとか興味深いの面白さ。


人の話を聞くとき、声の色合いや調子、間の取り方などが絶妙だと、知ってる話でも面白い。
落語の面白さは実は、話の可笑しさにあるんじゃなくて、知ってるのに聞かせてしまう、話ぶりの上手さにあるんだと思う。
心地よさのほうの面白さ。

ぼそぼそとした声で、とつとつと抑揚なく、時々方向がずれながらも、でもその話が面白いとき、それは内容そのものが面白い・興味深い時だと思う。お年寄りの体験談とか。数奇な出来事とか。


心地よさは、理解できなくても面白い。美しさはそれだけで価値だ。
面白さは、理解できて初めて面白い。可笑しい!って笑えるのは、何で面白いのかわかっているから。

クラシック音楽や有名な絵画は、心地いいけど、面白く無いことがある。
でもその作品が、この部分はあの有名な作品をモチーフとしていて、時代背景がこんな風に影響していて、当時としては画期的な技巧が〜なんて蘊蓄あるいは教養を下敷きに鑑賞した時、その曲や絵画は俄然面白くなる。

可笑しい・興味深い、は、理解、つまり自分の思考との関連付けから生まれる感覚なのかな。

何度観ても面白い、は、文字や言葉に基づくストーリーとかそういうんじゃなくて、絵の動き、音楽の美しさ、そういうのが、面白い、んだと思う。



と、いうようなことを、アニメスタイルのミロ星の記事を読んで思いました。
ミロ星面白かったよ。7回も観に行ったよ(笑)
私が楽しんだのは、心地よさ。
美しさ。巧みさ。
私は、心地よさの面白さより、興味深さの面白さに惹かれるとこあるから、アニメに関する知識のお陰で何がすごいのかもっとわかって、より一層楽しめた。

もし次の映画があったら、心地よくて、かつ、ファン心理的にもっと楽しい(笑)、そういう映画が見たいな〜v
また作ってくんないかなー。祈る!3作め!