別冊少年マガジンアルスラーン戦記読みました!
25ページでした!ページ数回復です!
4巻発売は10月9日だそうです。一か月遅れで済んでホッとしました。
荒川先生のキャパは月産50ページ程なのでまだまだ仕事量絞ってらっしゃいますが、無双のサイン色紙とか10月出しでもいいお仕事もなさってるので、ご家族のご病気は落ち着かれたのかな?
巻末の一言も「梅雨が明けたので、山登りに行きたいです」と元気なご様子。
よかったー!
今月は、バトル!バトル!逃亡!バトル!
すごい作画量です。
そして最後の2ページをのぞき、
すべての見開きにギーヴがいます。
だから!ギーヴファンさん!今月は「買い」だって!
なんたって、サブタイトルが「月下の吟遊詩人」ですよ!
荒川先生、2巻のナルサス登場で会話の軽快さが出て一皮むけたけど、4巻でギーヴの「キャラの回し方」をつかんで、もっと上手くなったって思う。
アル戦っていう「田中先生からお預かりした作品」に、ストーリー上の荒川カラーを入れるのはアルスラーン・エラム・エトワールという年少キャラだけど、絵面の荒川弘らしさ、特に軽快さは、ギーヴが突破口になってると感じる!
考えぬかれた年少3名のキャラ造形とは違い、ギーヴはペンの感覚でつかんだのかも?って感じます。荒川先生がギーヴを「描きやすい」って言うのは、きっとそういうことだと思います!
原作小説から来た人は荒川版のギーヴに「かわいさ」を感じるんだけど。
アニメから来た人は、きっと「男くささ」を感じると思う。
そこがもう、なんつーか、色っぺーんだよ!
あーもーくっそー。私は年少組と、ダリューンみたいな真っ直ぐな気質が好きなのに、ギーヴみたいなちゃらちゃらした奴べつに好みでも何でもなかったのに。
あーもー。腹たつー。(笑)
だって、扉絵からしてこれですよ?!
そんで、こうで、こうで(安定のキラキラw)
こうですよ?!
なにこれ!
ほんともう、格好いい!
ここ、小説だと、
「ギーヴの剣が、低い位置で水平に走った。敵兵の片脚が、ひざの部分から吹き飛び、血と絶叫がほとばしる」
です。
ね?ね?
もう、小説そのまんま!
しかも。
ここ、まだ一番格好いい場面じゃーないかんね。
この先、原作既読組期待のシーン。
「『ええい、やってやる!』ギーヴは、剣を鞘におさめると、にわかに両手を広げた。少年たちが、はっとする間もない」かーらーのー!
……も、見事に描かれていますよ!
「その瞬間である。月光をはじいて突き出された長剣が、隊長のあごの下をつらぬいて、口の中に剣尖をとびださせた」
田中芳樹の地文もすごいですが、それをそのままマンガにした荒川弘もすごい!
ここはまさに、小説を読むと勝手にネームができる、という荒川弘の脳内が、そのまま紙に印刷されてます!
そして、一番格好いいコマが、本編タイトル「月下の吟遊詩人」。
ずーっとウードも持たないままで、ここで、だけど、吟遊詩人と謳っちゃう。
いや~いいなあ。
これ、カラーで見たいよ、だってかっこいいんだもの! このレイアウトで彩色してピンナップとかにしてくれないかしら?
え?そんなにかっこいいの?って。
ええ!(いい笑顔)
な・の・で!写真はなーし!
だあって~コミックス派さんのお楽しみを、奪っちゃったら悪いでしょう~?(とってもいい笑顔w)
そして、また!
ギーヴ至上いちばんくずれた顔も、今月号です!
どんくらい崩してるかっつーと、銀の匙くらい崩してます(笑)
エラムも立て続けに同じ顔してるし、先生、アル戦4コマとかやって、ちょっと吹っ切れましたね?(笑)
そして、ちょっぴり仲良しになってた年少二人ですが、エラムがまたツンにw
エラムは普通の少年なので、同年代の男の子と、そう簡単に仲良しちゃんにはなれないのです。
そう。エラムは剣も弓も料理も変装もできるすごいキャラなんだけど、中身は「普通の少年」
アルスラーンも普通の子なんですが、それよりもっと、普通の子。
荒川弘先生は、この「普通」を描くのが本当に巧いと思います。
たとえばダリューンも、一騎当千の最強キャラなんだけど、普通の青年。
そう。普通です。
それは例えばオリンピック選手が、大会ではとんでもない技を見せたり信じられないタフな神経であったりしていても、日常では普通に大学生だったりする、そういう普通。
私はメディアミックスを観るたびに、いつも、無印鋼の脚本家、會川昇さんの言葉を思い出します。
エドを指して「こんな強い奴はいないですよ」。だからアニメではエドやマスタングの弱さも描き、視聴者に感情移入しやすくした、と。
それは、アニメとして「正しい」翻案だと思います。土曜の夕方のアニメを観る中高生にとって、あんな強い奴なんていないよ、という感覚は正しいと思う。
でも、荒川弘は違う。
とてつも無い人物だって、自分と同じ人間だ、そういう確信が根底にある。だから、エドが特別強いだなんて思ってもいない。
だって、内村航平や錦織圭のが絶対強いじゃないですか。彼らは実在しているのに。
白銀の錬金術師コマンチについて荒川先生は、イシュバールであれだけ殺したひどい奴でも、家に帰ったら優しいお爺ちゃんだったりして、と語ってました。
きっとアル戦ではボダンをそう見ているだろうし、だからダリューンがどんなに強くても普通の青年だし、エラムがどれほど有能でも普通の少年。
私はこの、荒川弘の、「こんな奴いるかよ」な少年漫画的キャラ造形の中にある、「普通」の実在感っていうか、ぬくもりが、好き。
荒川先生はキャラを作るとき、子供時代から年老いていくまで年齢順に描いてどんな人物か掴む、って仰ってたけど、そういう、食って寝て年老いて死ぬ、それが当然なところが、好きなんだなあ~。
さて、この、三人が三人とも別の方向をみているコマ。
このバラバラな感じ、小説やアニメで先を知ってる人はニヤニヤしますねw
知らない人は何気なく通り過ぎて、でも視覚の印象として残っているので、この先を読んだとき、意識しなくても感じることがあったり、あるいは別になにも感じなかったりするでしょう。
この、意識しなくても感じる(かもしれない)部分の積み重ねが、読み心地の良さにつながってるんだと思います!
そうそう、ここの前の場面。
馬が射られて別の馬を奪って逃げるシーン。
敵が迫ってるのに急かされながらも荷物を積み替えるギーヴが描かれています。
原作未読組はギーヴの性格を描いたコマでニヤニヤするし、既読組は原作補完の巧みさに感心しつつ後の場面を思い出してニヤニヤする。
そして作品としては、たったひとコマで漫画のリズムを作ってて、巧い。
一粒で三度美味しい!いやあ、うまいな!
さて!最後に、荒川弘の「映画的演出」のご紹介!
まるっと1ページ引用します。写真が斜めっててごめんなさい。
ドカカッ、ドカカッ、という文字が、ページの上から下まで、場面をまたいで書かれています。
これ、映画なら。
登場人物の台詞が切れて、馬が走る蹄の音がだんだんと大きくなる。
カメラはロングになって人物が切れ、風景へ。夜が明ける。
場面切り替えで空撮カメラ。ぐーっと下がって軍団をとらえ、正面カメラに切り替わり新しい場面が始まる。
その間、蹄の効果音が切れ目なく続く。
そういう演出。
このドカカッ、ドカカッ、は、次のページでも上から真ん中まで書かれて、最後のコマは通行証がべしっと兵士に投げつけられる音。
ここで蹄の音が止み、(カメラに映らなくても馬が止まったことがわかり)、そして新キャラのアップ、名乗りの台詞が響く。
いやあ!
映画的ですね!
英雄モノっぽい!
こういう、音が無いのに音がある感じ、一枚の紙なのにカメラの切り替えスピードを自在にあやつるところ、ほんっとに上手い!!
来月もたぶん25ページくらいかな?そこで4巻の締め。
単行本の切れ目はグッと持ってくるので(特に連載序盤は意図して)、来月号は盛り上がりますよー!
来月号は、表紙カラー!
しかもヒルメス梶さんのインタビューとオリジナルドラマCD付き!
きっと単行本発売もここに重ねる予定だったのでしょうけど、いやいや、これはこれでイイですよ!
あ、今月の宣伝ページも、アニメ・ゲーム・夏コミグッズと盛りだくさん。
アニメイラストピンナップもついてきます。月夜のもとで歌うギーヴ・横笛を吹くファランギース・明るく微笑むアルスラーン。綺麗処揃いですw
坂本さんがアル戦について語るのは公式HPのコメントくらいで、アニメ誌インタビューや声優ラジオにも出てないので、これはすっごい貴重です!
坂本「ファランギースは、ギーヴのことを実は何とも思っていないかも(笑)」
KENN「ええーっ?!男としての希望を片鱗でも欲しかった(笑)」
坂本「良く言って「弟」かな」「弟やネコくらいがちょうどいいのかなと」
なーんて、ステキな会話が載ってますよ~♪
あー面白かった!すごく面白かった!
荒川先生のマンガ、私、やっぱり大好きです!
来月号も楽しみですーー!